お子様の治療について
当院では、お子様の耳鼻咽喉科領域の治療にも注力しております。小児に関しましては、成長を考慮に入れた治療、またお子様特有の疾患の治療をすることが必要になります。お子様の耳や鼻、あるいは喉に関して気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
お子様のこんな症状に気づかれましたらご相談ください。
- 音量を大きくしてテレビを観ている
- 聞き返しが多く、返事をしない
- 聞こえが悪い
- 耳鳴りがするようだ
- 耳が塞がった感じがするようだ
- いつも鼻がつまっている
- よく鼻水が出ている
- 鼻風邪を引きやすい
- 口をポカンと開けていることが多い
- よくのどを痛がり、発熱する
- のどがイガイガするようだ
- など
お子様がよく罹る疾患
中耳炎
中耳炎は、鼓膜の奥にある中耳という箇所に炎症を起こすことを総称して言います。中耳炎には、最も一般的といわれる急性中耳炎をはじめ、難聴と耳垂れが見られる慢性中耳炎、膿が中耳腔という箇所にたまる滲出性中耳炎などがあります。
とくに中耳炎は、赤ちゃんや子どもに起こりやすいと言われています。お子様が耳を気にしているような様子であれば、お早めにご受診ください。
急性中耳炎
生後6ヵ月~5歳くらいまでの子どもに多くみられます。主な原因と言われているのが風邪で、細菌やウイルスが耳管を通じて中耳(鼓膜から奥の小空間)に入り込むことで、急性の炎症が生じて膿が溜まっていきます。とくに、赤ちゃんの場合は耳管が太くて短いので、鼻やのどのウイルス・細菌が簡単に中耳まで入り込んでしまいます。黄色い鼻水が出ているような時は、注意が必要です。
症状に関しては、ズキズキする激しい耳の痛み、発熱、耳だれ(耳漏)、耳がつまった感じ、などがあります。乳児などでは言葉で痛みを訴えられないために、機嫌が悪くなってぐずったり、しきりと耳に手をやったりします。夜泣き、ミルクの飲みが悪いなどの様子が見られることもあります。
症状が軽い場合は抗生剤や消炎剤などの服用や、炎症を和らげる薬液を点耳する治療が中心になります。膿が溜まって鼓膜の腫れがひどく、痛みが強いときや、熱が高い場合は鼓膜を少しだけ切開して、溜まっている膿を排出します。切開して膿を出したほうが、痛みや熱が早く取れ、治りも早まります。
慢性中耳炎
急性中耳炎の治療が不完全で治っていない場合や急性中耳炎を繰り返していると起こるという病気で、鼓膜に穴が開いたままになっている状態です。鼓膜はもともと再生力の強い組織ですので、開いた穴の多くは自然に閉じますが、炎症が長く続いたような場合には、閉鎖しないことがあります。
症状としては、耳の痛みや発熱はほとんどありませんが、鼓膜に穴が開いていますので、音が伝わりにくくなり、聴力が低下します。時には内耳にまで影響が及んで難治性の難聴をきたすケースもあります。また、鼓膜の穴から細菌などが侵入すると炎症を起こし、膿が出て、耳だれ(耳漏)となります。
治療については、急性中耳炎とほぼ同じで、薬を服用し、耳の処置をすることなどで耳だれは止まります。しかし、完治して再発を防止するためには、鼓膜の穴を塞ぐ処置が必要になります。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥の中耳腔(鼓膜の内側にある空間部位)に滲出液という液体が溜まる疾患です。液体はサラサラしたものから、粘り気のあるものまで様々です。子どもの場合、粘り気のある液体が溜まることが多く、聴力の低下もよくみられます。子どもに多い疾患ですが、成長するにつれて次第に起こらなくなってきます。
症状に関しては、耳の痛みは伴わず、難聴のみが唯一のものであることが少なくないので、気づくのが遅くなることもしばしばです。なお、幼稚園児や小学校低学年児の難聴の大部分は滲出性中耳炎が原因です。放置すると、言葉の遅れが生じたり、教師の言うことが聞き取りづらくて勉強が遅れたりします。
治療では、鼻から耳に空気を送る耳管通気という処置をしたり、鼓膜を切開して、中に溜まった滲出液を出したりします。症状を繰り返すようであれば、鼓膜にチューブを入れる手術を行うこともあります。耳管の機能が良くなる小学校中・高学年までの気長な治療が必要になるケースもあります。
副鼻腔炎
鼻にある副鼻腔という場所に炎症が起きた状態を副鼻腔炎と言います。治療が必要とされる急性副鼻腔炎に罹ることは稀でありますので、通常は副鼻腔の炎症が慢性化したケースを副鼻腔炎と言います。
鼻づまりと鼻水がよく症状としてみられます。また、アデノイドの増殖やアレルギー性鼻炎が加わることがしばしばで、これが鼻づまりをさらにひどくさせ、いびきや口呼吸を招くこともあります。
治療は、症状などに応じて鼻水の除去、抗生剤の投与などが行われます。
扁桃炎
扁桃炎とは口蓋扁桃というリンパ組織(口蓋垂(のどちんこ)の左右に一個ずつある組織)に、細菌やウイルスによる急性の炎症が起こる疾患を言います。健康な人でも、扁桃には様々な細菌が潜んでいますが、風邪ウイルスの感染や疲労がきっかけとなり、いつもはおとなしい細菌が悪さをして急性扁桃炎を発症します。時に、溶血性連鎖球菌に感染することで急性扁桃炎や急性咽頭炎などを起こすことがあり(溶連菌感染症)、子どもに多く見られます。この場合は、リウマチ熱や急性糸球体腎炎、アレルギー性紫斑病などの合併症を引き起こすことがありますので注意が必要です。
症状としては、特徴的なものとして風邪(高熱や寒気、頭痛、全身のだるさ、関節痛)のような症状と強い咽頭痛が現れます。また、喉奥には両脇が赤く腫れているのが観察されます。
治療では、抗生剤や消炎鎮痛薬、うがい薬などを用いるほか、安静や水分の補給も大切です。
アデノイド増殖症
鼻の奥にある咽頭扁桃というリンパ組織が、通常よりも大きくなった状態です。アデノイドは3歳頃から増大し始め、6歳頃に最も大きくなり、幼小児期に働きが活発ですが、10歳を過ぎると急に小さくなります。通常はアデノイドの肥大は病的な意味をもたないのですが、時に肥大に伴って様々な症状の現れることがあり、アデノイド増殖症と呼ばれます。鼻腔と咽頭の間が閉塞することにより、鼻づまりやいびきなどの症状が現れます。乳児では、哺乳がうまく出来なくなることもあります。口で呼吸するために、しまりのない顔つきになります(アデノイド様顔貌)。また、難聴になることもあります。注意力散漫、行動に落ち着きが無い、などの症状も現れます。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなりえます。アデノイドは年齢とともに萎縮し、通常は小学校高学年になれば自然に小さくなるので、症状が軽ければ積極的な治療は行いません。しかし、症状が強い場合には、薬物の効果はあまり期待できませんので、アデノイド切除術を行います。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスにより耳下腺が腫脹する感染症です。片側あるいは両側の耳下腺(耳たぶから耳の前の顎ラインに沿って)の腫れや痛み、発熱、痛みに伴う食欲不振などがみられます。
感染経路としては、患者の唾液の飛沫を吸い込んだり汚染されたものに接触したりして、鼻や口を通して鼻・咽頭部からウイルスを取り込むことにより感染します。最も多い合併症は髄膜炎で、その他には髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを発症する場合があります。
症状としては、耳下腺や顎下腺の腫れや圧痛、飲み込む際の痛み、発熱などがみられます。治療は、症状に応じた対症療法が中心となります。耳下腺炎のために食べにくい場合は、あまり噛まなくても済む、消化の良い食事にしましょう。
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